Le Petit Soldat


The Little Soldier/1960/France/Directed by Jean-Luc Godard/Anna Karina

ブリュノは写真家であり、フランスの右翼組織のスパイでもある。
友人に紹介されたヴェロニカに一目惚れするが彼女は敵方のスパイだった。

Jean Paul BelmondoとJean Sebergの"勝手にしやがれ/1959年"(この映画も好き)でお馴染み、ゴダール作品のひとつ。
同作は、"アンナ・カリーナ×ゴダール"の最初の作品。 
アルジェリア戦争の時代、反政府的な内容のため、スイスのジュネーヴで撮影するも公開延期に見舞われ同国で問題作とされる。
核心に迫っているというか、この時代にこういった作品を世に出そうとしたなんて、革新的。
中には見るに耐え難いシーンなんかも盛り込まれていたりするのですが、迫真感があります。
独特の演出、世界観で、それが逆にメッセージ性の強さを、余韻を、残すような。

"人は時に短剣でわが道を切り開く 悲しみは乗り越える 僕にはまだ残された時間があるのだから"

争い合うことが一体何のためになるのか、また、後に残るものは何なのか、やりきれない気持ちになります。


アンナ・カリーナの無邪気で可愛らしい繊細な表情や仕草が印象的。
相当惚れこんでいた証なのか、彼女の一瞬一瞬の魅力が伝わってくる感じ。
観ている側までもすっかり彼女に魅了され、だからか、ラストがあまりにも酷であります。